仕事をしていて結構大変だと思うのは、業務内容が変更になるとか異動になるとかして、今までの自分のノウハウや人脈が使えなくなる事。その度に、また一から苦労して積み上げていく必要がある。だから過去に関西から関東へ異動になった時には、「異動して一ヶ月経ったが、過去最高に疲れた」などと思わず愚痴というか、悲鳴をあげていた。

 今の仕事はそこからまた変わってしまっている。「想定外の異動に苦しみつつ思う」でも書いたが、全く希望もしていない業務内容に変えられた。それで相当苦しんだ。同じ仕事で異動しただけならまだしも、全く知らない事をやらされる(そしてまたそれを分かる前任者が異動で全て手探りからスタート)というのは、かなりきつかった。

 でも、どちらも乗り越えてきたんだよね。そして、苦労はしたし相当パワーも使って疲れたけれど、それが自分の力になっていって成長しているとも思う。分からない内はとにかく辛いし、気力・体力も総突っ込み状態になるんだけれど、腑に落ちる事があって分かっていくと、徐々に楽になっていく。分からない苦労が無いというのは相当大きい。

 この春からはまた少し変わって、自分の仕事以外に他の人の面倒も見る事になった。今まで好き勝手やって、上司に助けて貰ったりする側だったのが、助けたり指導したりする側の仕事もしなくてはならなくなった。これまでの自分の仕事も変わらずあるんだけどね。

 そうなると、これもまた初めての事で悩む訳だ。入社して結構な年月が過ぎているが、後輩や部下がいた事が無かったからねぇ……どう接して良いか、何処まで入り込めば良いか、何処まで任せて良いか、全然分からない。

 でも、そういう事ってこれまでもそうだったんだよね。分からないから余計なパワーがかかって、大変だけど、その先では「経験」した事による自分なりのノウハウが出来る。人脈も同じ。仕事をしていく上で相談したり、一緒に組んで動いたりした人との関係が、それ以後を楽にしてくれる。

 これまで何度も1から取り組み直しになるような仕事の異動をしてきた事もあって、徐々にそれを体感し始めている。何となく楽になってきたな、と思ったらすぐにその次のレベルを目指していこうとしていたけれど、それ以前にその段階に至るまでの経験の重要さを再認識したというべきかもしれない。

 そして、分かるようになっていくと、今度はそこは苦労するポイントではなくなっていく。取り組みのスタートは、その段階を過ぎた所からになる。これは凄く大きい。そしてそうなる事を理解した今は、初めての事があっても、その取り組みを越えると、今まで自分になかった事も出来るようになるし自分の幅が広がる確信を持てるようになる、というメリットも出て来た。その渦中はきつい事に変わりないんだけどね(笑)。

 同時に、若い頃にもっとこういう事をしておけば良かった、ああいう事をしておけば良かったという後悔にも繋がる。若い人には、どんどん新しい事に取り組んで欲しい。辛いしきついけれど、その「初めての経験」を数多くしておくと、後から凄く楽になる。年寄りの繰り言ではあるけれど、これもまた失敗したという経験から出る言葉だと思って、色々な事に前向きに取り組んでみて欲しい。きっと後から成長が実感出来るから。

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