色々と出張が多い中、先日は九州出張があって、そこで元上司と飲んで話をした。本当は忙しいのにわざわざ飲みにつれていってくれて、本当に良い人。そしてそうやって飲みにつれていってくれるだけではなく、素晴らしい上司っぷり(今は上司じゃないけど)を発揮してくれた。

 飲みながらその日の出張での話をした。こういう話をしまして〜こんな風な展開になりまして〜とか。ふんふんといった感じで聞いてて「それじゃあ65点だな」とバッサリ(笑)。

 その日は打ち合わせがあって、その為の準備はして、その話をしたんだけど、それでは話に深みも広がりも無いと。あんな話はしたか? こういう事は言ってみたか? 今回の震災の影響を踏まえた話はしたか? そもそもそれでどういう影響が出ていて、だから、お前の仕事においてそれに対してどうしていこうとしている?……厳しい。何せ全くそういう話題が出来ていない。

 それでも1時間から2時間ぐらいは話す内容があったんだけど、確かにそういう話題を入れて、その上で私の持っていった話があった方が圧倒的に説得力が増すし、意義があるように感じられる。酔っ払ってちょっと話しただけでそんな事を指摘してくれる元上司、本当にありがたい。

 そして……「元」なんだよなぁと。凄く残念。年齢的にはもう教えて貰う側じゃなくて、中堅として若手に教えたりする側になっても良いぐらいなんだろうし、実際そういう事もしない訳ではないけど(部下はいないけどね)、それでも教えて貰いたい時もある。今の仕事は特にそうだけど、相談相手もほぼおらず、一人で考えて一人で日本中飛び回っている状態なので、時には人に相談したり指導して欲しくなる事もある。

 一人だとねぇ、どうしても考えに偏りが出るし、苦手な事は無意識に避けてしまうし、気づけばやっている事がワンパターンになってマンネリ化したりする。一人だと誰もそれを指摘してくれないし、自分でも気づき難い。そうやって一人で何年もやってる訳だけども、そろそろ厳しい面が出て来て、他部門と連携していこうとか広げてる。でも、それも私一人の考えでやってるから、やっぱり偏ってるんだよな。

 それを久しぶりに会って、パッと指摘してくれる元上司には感謝してもしきれない。また上司になってくれないかなと思うぐらい。まあ、東京に異動してくる可能性は低そうだから無理かなとも思うし、私が九州に行く事も無いだろうから、こうして数ヶ月に一度会えれば良いかなってぐらいなんだろうけど。本当に今の部下の人達が羨ましい。

 そういえばその時って私と元上司だけではなくて、もう一人、九州の人がいて、三人で飲んでたんだけど、元上司がその人に話をさせるんだよな。それが上手い。まずは元上司が喋ってるように見えて、気づいたらその先はずっとその九州の人が喋ってる。九州の人は私が広島時代の知り合いなので、今日は元上司にいっぱい話をして貰おうと言っていたのに、上手く誘導されて喋ってしまってる。

 それに気づいてからしばらく私は黙って酒を飲みつつ観察(笑)してたんだけど、何処まで計算で何処までが自然なのか全く分からない。大体「ふんふん」って感じで聞いてて、時々喋るんだけど、それがまた呼び水になって相手が喋らされてる。質問しまくってる訳ではなくて、普通に話をしているだけのように見えるんだけど、気づいたら相手はずっと喋りっぱなし。

 凄いな、これはと。思わず「今見てると誘導して相手に喋らせてますけど、これって自然ですか?計算ですか?」と質問してしまった。元上司は「計算って訳でもないけどなぁ、まあ、もうこういうのが自然になってるかも」とか言ってはぐらかしてたけど。

 営業時代は勿論、今はスタッフ的な事をしているけど、それにしたって対人でのやり取りは必ず発生する。そういう時にこのスキルは重要だなと。それが実践されている場面が目の前にあって見ているだけで勉強になる。ああ、こういう風にやらなくてはならないなと思わされる。これもまたこの凄い上司だからだなと。

 より高い視点から指導もしてくれて、更に行動を見ているだけでも勉強になる。こんな人ってあまりいない。それだけにこうして久しぶりに会った時に気にかけて貰えて、指導もして貰えた事が嬉しい訳で。後は「お前も成長したな」と言って貰えるぐらい頑張らなくては駄目だな。だらけてはいられないよ。一歩でも二歩でも近づけるように頑張らないとな。そして何れは私も若い人に教えてあげられるようになりたい。